デザインの現場

4月号はタイポグラフィー特集でした。欧文書体を組むときの基礎知識のあたりの記事が特に興味深かったです。
それによると引用符は「‘ex.’」や「“ex.”」を用い*1、「"ex."」は御法度らしいです。これは造形的には大昔のタイプライターのなごりであり、dumb quote(マヌケ引用符)と呼ばれているとか。silly walk minister(バカ歩き省)となんとなく似てるなあと思いながら読みました。どうでもいいか。
二重に引用符を用いるときは、英国は日本のカギ括弧と同じ「‘“”’」で米国は逆の「“‘’”」になるそうです。あとは、外来語や難解な用語の強調は大抵イタリック体を使用することなど。大文字や引用符になるとやや強調しすぎるようです。これに小文字サイズの大文字であるスモールキャップ*2なども使用し、ちょうど日本でいう漢字・ひらがな・カタカナ混淆程度のボリュームを持った英文が組めると、そんなお話でした。学問領域になるともっともっと奥が深いのでしょうけれど。
ほかにはシャチハタのデザインコンペの受賞作発表もあり、文房具の新鮮なアイデアが脳に心地よかったです。Droog Designで有名になったRichard Huttenを擁するmoooiの記事も興味深く読み、クリエイターの、時代のエッジを捕らえる能力の高さに舌を巻いたりもしました。

*1:ドイツやフランスになると、もう少し変なかたちをしています。

*2:CSSにも「font-variant:small-caps; 」と、これを指定するための文法が用意されています。