Hot Spice / Ambient Cuisine

Cuisine


パーカッション皆無のトゲなしアンビエント。リズムの流れを感じさせないだらりとした滝のようなループがひたすらに安らぎを紡ぐ。
BGMに流して楽しむのが正しいのは間違いないと思いますが、どちらかというと、モーツァルトピアノソナタのような、一定の理解を示す人間にはたんなるイージーリスニングに終わらない正体不明の深みを感じます。
お経のサンプリングがフィーチャーされた曲もあるんですが、これを聴いていると、今の若いお坊さんはお経を唱えるときに16ビートのノリになるらしい、という話に信憑性が出てきますね。経は正真正銘の韻文ですし、一度生で聴いてみたいものです。死ぬか。ああ、それじゃ自分は聴けないか。
CDを見る限り、京都の自主制作レーベルなのかなあという感じです。バーコードがないし、記述されたレコード会社(fab smile)でぐぐってみても何も出てこないし……。中古レコ屋さんで手に入れた掘り出し物だったのかも。
あと、背表紙に「HOT SPICE; AMBIENT CUISINE EAST SNOWMAN」と、ジャケットのデザイナーさんの名前が入っていたのが印象的でした。それは背に書くのか普通。ジャケ買いだったのは認めますが……。