SONY MDR-CD900ST(Headphone)

スタジオ用途のモニターヘッドフォンですが、ちょっと無理して購入しました。だいたい\20000なのでPS2が買える値段ですね。このヘッドフォンの存在は、Keyのサウンドチームの使用や涼元悠一さんの個人サイトでの紹介もあって結構知られていると思います(実際、同人アレンジ系のサイトではEquipment紹介でモニター用としてしばしば使用を公言している人がいます)。
通常のスピーカーやヘッドフォンは、(音を楽しむために)良くも悪くも原音に対して味付けがあるのが普通ですが、このヘッドフォンは原盤を忠実に再現することを意図して作られているので、音の解像度が本当に高いです。


Ronny Jordanのギター1音1音が本当にパラパラと分かれて聞こえますし、細かいオーバーダビングを重ねている箇所もはっきりと聴き取れます。おそらくギターを弾く人であれば、フレットをすべる左手や右手の細かいピッキングがくっきりと想起できるのではないでしょうか。
ほかにも、中音部を支える音の絞ったシンセストリングスが超美麗なうねりをみせるところもしっかりと楽しめますし、高木正勝のパチパチと温く弾けるような音色は、シンセ音色のアタックにスクラッチノイズをのせる複合技なんだろうなといったことも聴き取れてしまいます。ひとつひとつ覚えていられないほど、潤沢なアイデアをたった1曲に注ぎ込んだ音楽家の仕事をまのあたりにしたときなどは本当に尊敬の念を禁じ得ません。
もちろんこういう細かいことを理解するにはリスナー側にもある程度の素養が必要ですけど、そんなものは興味さえあればいずれ獲得できるものです。
送り手が伝えようとしていることを細部の細部まで受け取るためのデバイスを持つことは重要だと思いますし、それこそが本当にお金をかける価値のあるものなのだと思います。


と熱く語ってますが、おそとではアームレスヘッドフォンを愛用してる私。
なにせスタジオ用途なので、(人の入れ替わりを考慮して)微調整なしで一瞬で耳にフィットするぶん、長時間使用には向いてないのです。1時間しないで耳が痛くなってくるというひどい装着感です。
それに、精細に音を聴き取れるという性能は、外の雑音の中ではあまり意味ないです。外で聴くのなら雑踏の音と混ぜてこそ、とも思いますし。


あとこれ、見た目あんまりかっこよくないですからね。




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MDウォークマン内蔵のしょぼいEQで低音をガンガンに上げつつ、毎日お出かけです。